令和6年3月14日19:30~メディサポにて開催いたしました。長浜市社会福祉協議会のご協力のもと、キャラバンメイト「ケアナイト」様(7名)を講師に迎え、実技演習を含む講演を行っていただきました。
「認知症を学び みんなで考える」という演題の通り、まずは、「認知症」の長浜市の現状、病態を含む基礎知識、患者様を支えるポイントを講義にて学びました。
「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」という基本姿勢ならびに①わかりやすい環境に変える(日めくりカレンダーにかえることで今日が何月何日なのか認識してもらう等)②関わり方を考える(否定せずに共感する)③体調を整える(不快感の原因が便秘などの体調によることもある)④周りに協力を求める(見守ってもらえるようになる)も重要だと再認識しました。
更に、実際にキャラバン(女優)メイトさんが認知症の患者様として薬局に来店されるという場面を通して意見を交わし「みんなで考え」ました。
我々薬剤師が職能を活かしながら「つなぎ、寄り添う」アプローチの仕方を考える機会となりました。
以下、今回実技演習で行った事例を紹介いたします。皆さんならどう対応されますか?
事例①:ポリファーマシーへの対応
長女夫婦と同居の山本まさこさん。脚の痛みと睡眠障害。痛み止めと睡眠導入剤欲しさに3病院を受診。同じ薬をもらっている覚えがなく、数日の間隔で薬局に来店。処方箋には同内容の処方30日分が記載されている。どうしても薬は持って帰りたい。早くしてほしいと窓口で訴えられる。
<薬剤師の対応>
- 患者様を前にその場でできる対応
・薬局にはどのように来たか→付き添いの家族がいないか?
・お薬手帳がないか→名刺等でケアマネさんの連絡先が把握できないか?
・連絡先がわからないか→長女(同居家族)に連絡を取る
・疑義照会をし、たちまちの処方日数を調整する。
- 今後取るべき対応
・地域包括に連絡→すでに把握されている患者様ではないか?
・各処方医に現状の報告→どの医師をかかりつけとし、訪問の指示をもらうか?
事例②:薬を渡しているのに何度ももらいに来る高齢者への対応
一人暮らしの山田かねさん 84歳。息子は遠方に居住。息子はみずくさいが口癖。循環器等の重要な薬を服用中。薬をもらって帰られるものの、数日後薬がないと来店される。
また、処方箋による調剤会計時500円の代金に対し、10000円札を支払われる。
<薬剤師の対応>
- 患者様を前にその場でできる対応
・一緒にカバン(持ち物)を確認する
・お金をトレーに出す→小銭の確認
・薬は本人には渡さない→訪看さんや、ケアマネさんへ
- 今後取るべき対応
・処方医に服薬情報提供をおこなう
令和6年3月21日
湖北薬剤師会 理事
学術情報委員 小倉味穂