令和5年3月2日(木)、滋賀県薬剤師会・滋賀県介護支援専門員連絡協議会 連携会議がオンラインにて開催されました。
当薬剤師会からは、介護福祉委員の戸田先生と、会長代理として私が参加させていただきました。この会議には、滋賀県の各薬剤師会の会長、介護福祉委員と介護支援連絡協議会の会長、副会長、理事の方々総勢36名が参加されていました。グループディスカッションが中心で
1 お互いが知り合うための工夫
2 退院時共同指導
3 ICTの活用
について、それぞれの立場の意見や現状を話し合いました。
1 甲賀湖南地区では、はがきサイズの各かかりつけ(担当者)を記載した用紙をお薬手帳に挟む。彦根地区では担当ケアマネの名前をお薬手帳に貼付する。と言う取り組みが行われているようでした。担当のケアマネがいない場合には地域包括を利用するのも手段の一つであることを再認識しました。また、薬剤師も在宅業務に対して温度差もあるので、患者の担当の薬剤師を探すより、ケアマネ自身のマイ薬剤師を作ってお
くのも一つの手ではないか。という意見もありました。
2 ケアマネからは、なかなか自分たちからは声をかけにくい。相談できる日時をあらかじめ設定してもらえるとありがたい。薬剤師からは、参加したいとは思っているが店舗を離れる事が難しい。Webの参加を検討してもらえると参加しやすい。また、あらかじめ資料をもらっていると発言がしやすい。とそれぞれの悩みを伝えました。
3 びわこあさがおネットの利用も手段の一つではあるが、これは利用者の同意が必要である。大津地区では、メディカルケアステーション(https://about.medical-care.net/html/)というアプリを導入している。セキュリティーも高く、スマホさえあれば適宜情報を共有できるため、連携がスムーズであるという内容を紹介していただきました。
今後ますますオンライン服薬指導の他にも退院時カンファレンスの参加等、ICTを積極的に活用していく必要性を感じました。また、当薬剤師会では多職種連携会議や地域連携会議への参加が、お互いの顔が見える関係性を築くための機会となるように継続的に取り組んでいきたいと思います。
介護福祉委員 戸田真史 学術情報委員 小倉味穂
2023.2.16 令和4年度第5回 居宅介護支援事業所研修会がオンラインで開催されました。ケアマネジャーを中心に、100名を超える方が参加されました。
その研修会にて当会より「在宅医療のケアチームにおける薬局の活用法」について西井会長から情報提供していただきました(資料は介護福祉委員の馬場先生、戸田先生が提供して下さいました)。
まず、居宅療養管理指導では何ができるか、どのような方が対象となりえるのか、具体例をあげて説明いただきました。また、介入することでどのような改善が見られたかの実例も紹介していただきました。多職種との連携については、サービス担当者会議へも参加するので、ぜひ声かけいただくようにお願いされました。
参加されていた方は、時折うなずきながら真剣に聞いてくださっていました。
質疑応答では、
1 訪問指示の取り付けは誰が行うのか?
2 複数病院、複数科受診されている場合には、どの医師から指示をもらうべきか?
3 服薬ロボにはどのようなものがあり、費用はどの程度か?
との質問がありました。
① 対象と思われる患者様の相談があれば薬剤師が対応する
② 主疾患の担当医一人から指示があれば、全診療科の医師からもらう必要はない
③ メーカーにより価格および仕様はさまざまであり、当日は1社のHPにより実際の機器を紹介。患者様の服薬コンプライアンス等を鑑みて導入してみてはどうか。
と返答されました。
また、参加された方からの感想には、
「これまで、この程度のことを薬剤師に相談していいのかと思っていたが、今後は積極的に相談し、利用者の生活改善を目指していきたい」「担当者会議にぜひお声かけしたい」等
私たち薬剤師をより身近に感じてもらうことができ、一緒に取り組んでいこうという前向きな意見が寄せられていました。
地域医療には多職種の連携が欠かせません。こういった研修会を通じて顔の見える関係を築き、医療にかかわるそれぞれの職種がそれぞれの職能を生かし、地域の方々に必要なサポートが行き届くよう努めて参りましょう。
2023.2.18
学術担当 理事 小倉味穂
令和4年12月8日、Web形式で今年最後の定例研修会を行いました。
今回は「急性冠症候群に対するカテーテルインターベンションの現状および二次予防のための脂質低下療法を考える」と題し、市立長浜病院 循環器内科 高島弘行先生にご講演いただきました。(当日は扁桃炎による声の不調にも関わらず、予定通りご講演いただいたことに深謝いたします)
講演では日々の薬剤師業務の中では触れる機会の少ない「カテーテルインターベンション(=手術)の歴史・術式」について画像や映像を用いてご説明いただいたことが鮮烈に記憶に残っております。
一方、薬剤師業務に関連することとしては数々の論文を引用した動脈硬化に対する脂質管理のための薬剤使い分けや重要性についてご講演いただきました。
確かに脂質管理の薬剤は頻回服用のものがあり、服薬指導の際に確認される残薬の日数調整は少なからず行っていますが、今回の講演では単に残薬調整をするだけでなく、服用の必要・重要性を患者さんと再確認し、根気よく続けられる寄り添った服薬指導が必要という学びを得ました。
さて来年1月は毎年恒例の「新年医療安全研修会(オンライン)」を予定しています。
新年は医療安全を再認識してスタートしましょう!
2月以降も日々の業務に役立つ学びが盛り沢山の興味深い研修会が目白押しです!
来年も皆様と定例研修会でお会いできることを楽しみにしております。
R4.12.17
研修担当理事 小倉味穂
令和4年11月10日、今月もWeb形式で定例研修会を開催いたしました。
今回は「人生貧血の古今東西~実臨床の勘所、鉄代謝もふまえて~」と題して、市立長浜病院 腎臓代謝内科 森田善方先生にご講演いただきました。
貧血の分類や鑑別という基礎から、腎性貧血の診断・治療に関して論文やガイドライン、実臨床データを用いて、丁寧にわかりやすく説明していただきました。注目すべき検査値など、患者様への助言に即活用できるご講演でした。薬剤師側からの質問には、薬品調達や在庫など薬剤師の苦心にも心を寄せていただきつつ、「フォーミュラリー」(地域単位で適切な薬剤を用いることで、医薬品の管理を安易にしつつ、臨床的にも適切な薬剤を選択可能にするための機能)についてもふれていただきました。
今後も、つながりを大切にしつつ、地道な努力によって、病院と地域の薬局が密な関係を構築していける一端を担っていければと思います。
皆様の研修会への積極的なご参加をお待ちしております。
R4.11.17
研修担当理事 小倉味穂
多職種連携研修会 講演について
日時:令和4年10月17日(月) 14:00~15:00
開催方法:Zoomミーティング
参加職種:訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、行政担当者など
先日、長浜米原地域医療支援センター主催の多職種連携研修会において「薬剤師から多職種に伝えたいこと」として、一社)湖北薬剤師会 より2名の先生にご講演いただきました。
①「ポリファーマシーとは?その概念や気を付けるべきポイント」
~ タケシタ薬局 竹下 裕基 先生
ポリファーマシーの概念や原因などを、他の職種にも分かりやすくかみ砕いて懇切丁寧にご説明いただきました。
初めて概念に触れる方が多かったようですが、聴講者は皆様一様にご理解いただけたようでした。
②「ポリファーマシーの解消につながった事例紹介」
~ ファーコス薬局いずみ 三浦 奬大 先生
薬剤師が介入して多職種と連携することにより、アドヒアランスの向上や残薬・併用薬の解消・整理につながった好事例をご紹介いただきました。
日々の業務の中で起こり得る事例であるため、どのように対処したかを今後の糧としていただけました。

日頃、薬剤師が取り組んでいる地道な仕事を多職種の方々に知っていただき、必要性と活用法をご理解いただける良い機会であったと思います。これからも薬剤師は「よりよい地域医療を提供」できるよう他の職種との情報共有を密に、連携を進めていきたいと思います。
学術担当理事 小倉味穂